外需頼みでパッとしないGDP  新聞社説は「トランプ・リスク」に警鐘

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

産経「景気の足取りに力強さはみられない」

   こうした結果を、全国紙の社説(産経は主張)はいかに論じただろうか。

   「景気の足取りに力強さはみられない。むしろ、日本経済の脆弱さの証左といえないか」と警鐘を鳴らすのは、安倍政権支持の論調が目立つ産経(2月14日)。「トランプ米政権の保護主義傾向で世界経済の不確実性が一段と高まった。ここで企業や家計が萎縮すれば、民需主導の自律的な景気回復はますます遠のこう」と指摘する。懸念材料は、やはり「トランプ・リスク」で、「日米首脳会談で、貿易や為替政策をめぐる対日批判を控えたトランプ大統領が、再び為替などへの『口先介入』を強めれば、企業の経営環境も揺らぎかねない」「北米自由貿易協定(NAFTA)が見直されると、対米輸出拠点としてメキシコに進出してきた日本企業にも多大な打撃を与えよう」と、警戒心を露わにする。

   産経同様に安倍政権支持の論調を強める読売(2月18日)も、「外需頼みの成長にはリスクもある。新設する日米経済対話において、通商分野などで強硬な要求が突きつけられ、自動車などの輸出産業が影響を受ける懸念は拭えない。米側の出方を注意深く見守ることが欠かせまい」と、やはり、トランプ政権の出方を警戒する。

   毎日(2月14日)はより厳しい言葉が並ぶ。「アベノミクスは消費など民間主導の持続的成長を目指してきたはずだ。輸出依存のままでは経済の好循環は見えてこない。対日貿易赤字を問題視するトランプ米大統領が理不尽な批判を強める恐れもある。外需頼みは危うく、脱却を急ぐべきだ」と、読売などと同様の危惧を述べるほか、アベノミクスそのものにも矛先を向け、「安倍政権は金融緩和に伴う円安で輸出企業の収益を高め、雇用や賃金を増やして消費を活性化させる好循環実現を掲げてきた。しかし、円安は消費回復に結びついていない。安倍晋三首相は雇用改善を強調する。だが、主に増えたのは低賃金で処遇が不安定な非正規雇用だ」などと厳しく指摘している。

姉妹サイト