駅員に頼めば運搬を手伝ってくれる
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が2013年10月~14年3月に実施した「ベビーカー利用者に関する実態調査」によると、鉄道30社のうち「エスカレーターの利用を禁止しているが、利用者が多く黙認せざるを得ない」との回答が16.7%あった。
前出の40代母親は、「駅では他のお客さんや駅員がベビーカーを持って階段を運んでくれる時もある。階段の側に『困りごとがあればお声掛けください』といった貼り紙や、駅員呼び出し用のインターホンが設置されている駅もありますよ」と言う。その場合は自分が子どもを抱きかかえて階段を利用し、ベビーカーは駅員に頼んで運んでもらう。「荷物もあるので、自分1人でベビーカーと子どもの両方を持ち上げて階段を上り下りするのは難しい」と話した。
例えば東京急行電鉄では、ベビーカーで駅構内を快適に利用できるよう配慮している。J-CASTヘルスケアが同社広報担当者に取材すると、バリアフリー化を進めるなかで、「すでにエレベーターが設置されていても、利用者の多さから増設を予定している駅がいくつかある」と説明した。
東急ではエレベーター以外にも、「駅員を呼び出せるインターホンをホームやトイレに設置しております。フロアの昇降でベビーカーを運べない場合を含め、困ったことがあればどなたでも気兼ねなく押していただきたい」と呼びかける。駅員の側からも「階段の近くでベビーカーを押す人がいれば、声をかけて手伝います」。かつては「階段昇降機」という、階段の端に設置して自動で上り下りするレール付きのボードが設置されている駅もあったが現在は無く、「基本的にはエレベーターをはじめとしたバリアフリー設備を利用してもらい、駅員が呼ばれたり困っているお客様を見かけたりした場合は、駅員が直接対応しています」と話した。