東京・有楽町の商業ビル「東京交通会館」のアンテナショップを紹介する同人誌「この『東京交通会館』がすごい!」に、JTBから「物言い」がついた。
表紙ロゴを同社発行の旅行雑誌「るるぶ」のロゴに似せたことが原因で、抗議を受けたらしい。SNSでは「イチイチ噛みつくような案件とも思えない」との声も上がるが...。
「る○ぶ的な表紙が目印」
「この『東京交通会館』がすごい!」は、東京交通会館に入る30店舗近くのアンテナショップを紹介した情報誌だ。
各店の見どころや名物はもちろん、東京交通会館の成り立ちや歴史に至るまで、詳しく書かれている。発行元は、同人誌サークルの「版元ひとり」だ。
16年10月30日に行われた同人誌即売会で発売。以後、そのクオリティの高さから「アド街ック天国」(テレビ東京)に取り上げられるなど話題を呼び、現在も交通会館1階の三省堂書店有楽町店などで販売(税込648円)されている。
そんな同誌のポイントとも言えるのが、表紙ロゴだ。明らかに「るるぶ」を意識した色使い、デザインで、三省堂書店有楽町店のツイッターアカウントも
「る◯ぶ的な表紙が目印」(16年12月10日のツイート)
と紹介するほど。
そうした「るるぶ」風ロゴの問題点が表面化したのは、発売からおよそ半年を経た17年2月23日。この日、「版元ひとり」を運営する「臼井総理」さんが、JTBから「不正競争防止法に抵触する」との指摘を受けていたことをブログで発表したのだ。
なお、不正競争防止法の第2条2項で、他人の有名な商品表示を自己の商品表示として使用する行為が禁じられている。JTBはこうした条項を踏まえ、抗議したとみられる。 臼井さんは「同社からの指摘すべてに納得するものではありません」としながらも、表紙ロゴで「るるぶ」をインスパイアしたとブログで認めている。
JTB「コメント差し控える」
また、JTBの指摘をうけ、書店の在庫分すべての表紙に「ロゴを隠すシール」を貼付する、「版元ひとり」の公式サイトからロゴを削除する、増刷分に類似ロゴを使わない、といった対応を取ったと報告。
最後に、「他者(社)様の権利等に細心の注意を払った上で、今後とも『楽しく』『役に立つ』『おもしろい』同人誌を作り続けて参ります」と綴った。
臼井さんのブログ記事に対しては、ツイッターで
「これはアウトかも」
「仕方ない」
とJTB側の抗議に理解を示す声が寄せられた一方、
「イチイチ噛みつくような案件とも思えない」
「スルーしてほしい」
といった声も少なくない。
今回、J-CASTニュースは臼井さん、JTBの双方に取材したが、臼井さんは「ノーコメント」。JTB広報室も「コメントは差し控えたい」とのことだった。