課金中毒は一種の病気
ガチャを巡る課金中毒といえば2010年頃から社会問題化し、12年5月には、消費者庁がコンプリートガチャは景品表示法違反に当たると指摘し業界は自主規制を始めた。当時は子供が親の携帯やクレジットカードを使い、月に数十万もの請求が来た、などと騒ぎになったが、ITジャーナリストの井上トシユキさんによれば、そのときの子供がクローズアップされただけであり、当時から課金にハマる多くは大人。そしてゲーム会社の自主規制にも限界があって、課金する人はゲームの別アカウントを作ってまで課金を続けているため、この問題は無くならないという。
井上さんによれば、課金にハマる人には2つのパターンがあり、一つは性格的にフルコンプ(アイテムを全て集める)しなければ気が収まらないコレクタータイプ。もう一つは課金しなければ落ち着かないギャンブル依存症タイプ、だという。課金しなければゲームクリアが難しいゲームもあり、カッとなって課金のボタンを押し、翌月の請求書でその額に驚くプレイヤーが多い。しかし、ゲームにハマっているため課金はやめられず、結果的に使ったカネは数百万円規模になることも。
井上さんが取材した一人は、手取り30万円で、家賃と光熱費以外のほとんどをガチャに使っていた。生活が破たんする人もいる。ところが面白い事に、今回の「白猫」のようにガチャにハマった人は、ゲームの展開や、運営側などに疑問を持ったりすると、それまで高額な課金をしていてもスッパリと辞める「潔さ」があるという。しかし、課金をいまだにやめられず生活が破たんしているような人はどうするべきなのか。
井上さんは、
「課金の中毒症状の出ている人は、ゲームに夢中になる中でほとんど無意識に課金を続けるわけです。だから、それを監視してくれる友達や家族の前以外ではゲームをさせないようにする、というのが効果的だと思います。一種の病気だと周りは判断すべきです」
と話している。