春一番、春二番、春三番...何番まである? 気象庁に聞いてみたら、意外な回答が

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   春一番。冬から春に移る時期に、初めて吹く「暖かく南よりの強い風」のことだ。2017年は関東地方で2月17日、「春一番」が吹いたことを気象庁が発表した。

   ところでテレビなどでは、その後も「春二番が...」「春三番が...」といったニュースが続いている。いったい、「春何番」まであるのだろうか。

  • いったい「春何番」まで続く?
    いったい「春何番」まで続く?
  • いったい「春何番」まで続く?

「気象庁としては発表しておりません」

   23日は、関東地方では朝から強い風が吹き荒れた。同じく強風に見舞われた20日の「春二番」に続き、メディアはこれを「春三番」と紹介している。

   たとえばこの日の「とくダネ!」(フジテレビ系)では最初のニュースとしてこの話題を取り上げ、小倉智昭キャスターが「今日の日本列島は......強風が吹き荒れるところもあるようで、『春三番』じゃないか」と言及、続いてのお天気コーナーでも「春三番」の言葉が繰り返し使われていた。

   この後も、春四番、春五番、春六番......と続くのだろうか。気象庁天気相談所にJ-CASTニュースが23日、取材してみると、

「春一番は気象庁で発表しておりますし、予報用語としても1987年以来使っていますが、『春二番』や『春三番』は気象庁としては発表しておりません」

   えっ、正式な用語ではないんですか?

「俳句の季語としては使うことがあるようですが......」

   そもそも「春一番」は、漁業関係者などが、毎年この時期、強風で海が荒れやすいことを戒めて使っていた言葉だとされる。1960年代ごろから一般にも広がり、1976年にはキャンディーズが同名の曲をヒットさせている。こうした過程を経て、気象庁でも用語として正式に採用されたものだという。

春三番、春四番までは確認できるが...

   春二番、春三番はこれをもじって生まれた造語なので、明確な定義はない。なので、「春何番まであるのか」と質問されても、「マスコミさんの責任として言っていただく分にはいいんですが......」ということで、答えようがないそうだ。春一番が、

「立春から春分までの間に、広い範囲(地方予報区くらい)で初めて吹く、暖かく(やや)強い南よりの風」(気象庁ウェブサイト)

   だから、少なくとも春分を過ぎた後の風はもう「春何番」ではない、とも解釈できるが......。

   では、メディアでの使用例はどうか。

   「日経テレコン」のデータベースによると、80年代以降の全国紙では、「春一番」という表現が4500本以上の記事使われているのに対し、「春二番」は53本、「春三番」は23本。そして「春四番」が3本で、「春五番」以降は1本も確認できない。

   ちなみに、2004年2月23日付読売新聞朝刊には、春二番について以下のような解説がある。

「気象庁による認定はないが、春一番に続く強い南風のこと。春三番、春四番......と吹き、次第に『春本番』へと向かう」
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