コンビニやメガネ店で「万引き犯」の顔写真を店頭やネット上で貼り出す騒ぎが相次いでいるが、今度は、マクドナルドの店舗で写真貼り出しが分かった。
その店舗は、千葉県市川市内のマクドナルド妙典駅店だ。
店員の手をはたき、「外で待っている」
千葉県警の行徳署がJ-CASTニュースの2017年2月22日の取材に答えたところによると、妙典駅店では、客の男が2017年2月18日午後10時半ごろ、レジに並んでビッグマックを注文した。
「セットにしますか? 単品にしますか?」。アルバイトの男性店員が通常通り、こう男に聞くと、男は、急に怒り出した。「単品って何だ!」と店員を怒鳴り付け、店員と口論状態になった。店長も出てきて仲裁しようとしたが、男の怒りは、さらにエスカレートし、「バカにしてるのか!」と大きな声で店員らに暴言を浴びせたのだ。
これに対し、店員が「お帰りいただけますか?」と言い、男の後ろに並んだ他の客に商品を渡そうと、カウンター越しに右手を伸ばしたときだ。男はいきなり、店員の手を払いのけるように右手ではたいた。そして、「外で待っている」と言って、男は、店の外に出た。
その間、店側が警備会社に通報し、それを受けた警備会社が警察に110番した。このときの話では、男は酒に酔っていたという。警察が駆け付けたときは、男が立ち去った後だった。店員には、ケガはなかったという。男については、店では初めて見る顔だったそうだ。
妙典駅店ではその後、防犯カメラに映った男の写真2枚をポスターにして、店内や入口のガラスに貼り出した。通行人も見えるような場所だ。
「店側の気持ち分かるよ」
2枚とも男の顔がはっきり分かるようになっており、「犯罪者探しています!」と赤字でタイトルが付けられていた。このときは警察にまだ被害届を出していなかったが、「2/18(土)夜に店舗内で従業員への暴言、暴行で被害届を出しています!下の写真の人物に心当たりのある方、店舗までご連絡いただけますと助かります」とも書かれてあった。
各メディアの報道によると、日本マクドナルドに2月21日朝になって外部から男のポスターについて指摘が入り、マクドナルドでは、行き過ぎた表現があると判断し、妙典駅店に撤去するように本部から指導した。その後、店側が撤去するとともに、その日のうちに行徳署に暴行罪で被害届を出した。
日本マクドナルドは、J-CASTニュースの22日の取材に対し、「担当者が会議中」などとしており、回答は得られなかった。
行徳署では、店からの被害届を受理し、暴行の疑いで捜査している。男が酒に酔っていたかどうかは、確認できていないという。調べによると、男は、50歳ぐらい。身長は約165センチ。白髪交じりの短髪で、黒いジャンバーに青色の作業ズボン姿だった。
行徳署は、店がポスターを貼り出していたことは知らなかったといい、ポスターについては、見ていないので何とも言えないとしている。
男の写真貼り出しについて、ニュースのコメント欄などでは、「こんな店には怖くてゆけない」といった声もあるものの、総じて理解を示す向きが多く、「別にいいんじゃないの?」「店側の気持ち分かるよ」「こうでもしなければ警察は動いてくれないんだろ」などといった感想も書き込まれている。
追記(2017年2月23日):日本マクドナルドの広報担当者はその後、J-CASTニュースの取材に答え、暴言内容などの詳細については、「警察に委ねておりますので、こちらからはお答えを差し控えさせていただきます」とコメントした。