死因の特定もできていない
ところが、マレーシア保健省のヌール・ヒシャム・アブドラ事務次官が2月21日に開いた記者会見で、親族の協力が得られていないため、身元の特定には至っていないと説明。これまでのマレーシア政府の説明が後退した形だ。
アブドラ氏によると、解剖は2月15日に6時間にわたって行われたが、アブドラ氏は
「法医学的なサンプルは、解剖終了後すぐに警察の捜査担当者に引き渡されており、分析のために、認定された研究所に送られるだろう」
「この分析は遺体の身元特定のために行われるもので、死因は現時点では分からない」
などと述べ、死因解明には至っていないと説明。さらに、「DNA標本、指紋、歯型はある」が、遺族からの連絡や大使館からの記録の提供がないため、
「これら(特定作業)はすべて進んでおらず、分析もまだだ」
と話した。これに加えて、刺し傷や、針で刺したようなあとも確認できない、とした。 北朝鮮のカン・チョル大使が
「マレーシア側が死因は心臓発作だと伝えてきた」
などと主張していることについても、「証拠がない」と述べ、現時点では死因は特定できないとの立場を繰り返した。
カン大使は、死亡したのは金正男氏ではなく、あくまで北朝鮮の外交旅券を持つ「キム・チョル」氏だと主張し、遺体の引き渡しを求めている。