「永久欠番になりたければ、おれを抜け!」
三冠王獲得をはじめ、従来のキャッチャーの常識を覆す圧倒的な成績を残したほか、日本初の選手兼任監督という役職も務めた野村さん。それだけに、今回のコラムでは、
「私の『19』が永久欠番の候補にすらならなかったのに、どうして黒田程度の成績のピッチャーにその栄誉が与えられるのか......」
と率直な思いを吐露している。
そもそも、プロ野球史上で自身の背番号が永久欠番になった選手は、黒田投手を含めてたった15人だけ。野村さんが指摘するように、黒田選手以上の成績を残していても「永久欠番にならなかった」選手は多い。
三冠王を3度獲得した落合博満さんや他の追随を許さない通算1615盗塁を残した福本豊さん、ピッチャーとして歴代2位の350勝を挙げた米田哲也さんがその筆頭だ。実際、野村さんもコラムの中でこうした選手の名前を挙げつつ、黒田投手の永久欠番について、
「私をはじめ、これまで名前を挙げてきた選手たちの業績は、黒田以下となってしまうではないか」
と嘆いている。
こうした「ぼやき」を連発したコラムの末尾で、野村さんは次のような言葉でコラムを結んでいる。
「永久欠番にするのは、私以上の成績を残した選手だけにせよ!永久欠番になりたければ、おれを抜け!」