1分遅れれば、助かる確率は10%ずつ下がる
消防庁の発表によると、救急車を呼んでから現場に到着するまでには全国平均で8.6分かかる。三田村氏は「致死性不整脈の場合、電気ショックを与えるのが1分遅れる毎に、助かる確率が10%ずつ下がると言われています。救急隊が来るまでの間、その場にいる一般の人がどう行動するかで、助かるかどうかが大きく変わります」と話す。
なお「不整脈」ひと口に言ってもさまざまな種類があり、すべてが命に関わるわけではない。ただ、三田村氏によると「不整脈が原因で過去に、一度でも失神した経験がある人は、突然死のリスクが高いと考えた方がよい」。そこで重要な役割を果たすのがAEDだ。
しかし、駅やビル、スポーツクラブ、学校などの施設に普及が進んでいるものの、自宅にあるという家庭は少ない。家族が自宅で意識不明になった場合に備えるには「家の近くでAEDを設置している場所をあらかじめ把握しておくのがよいでしょう」と三田村氏は話している。