経営再建に向けた道筋が不透明さを増し、事業継続が危ぶまれている東芝。そんな逆風の中、東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ)」シリーズの販売が好評だ。
販売店によると、購入者の中には、苦境に立たされた東芝を「応援したい」という思いから購買を決める「応援消費」が少なくないという。
「映像事業」の赤字膨らむ
「レグザ」は2006年から販売を開始し、16年に「10周年」を迎えた長寿ブランド。「レグザ」の代名詞と言える、地上デジタル放送を外付けハードディスクに一時保存できる「タイムシフトマシン」機能や、映像の超解像技術などが支持され、根強いファンも多い。
そんな「レグザ」だが、東芝本体と同様、厳しい状況が続いている。
テレビ分野を含んだ東芝の「映像事業」は、16年上期の営業損益が105億円の赤字。さらに海外拠点の整理関連費用として100億円を計上するなど、17年3月期の通期予想では240億円まで赤字が膨らむ見通しだ。
価格.comでは「REGZA」軒並み上位に
商品レビューサイト「価格.com」の2月17日夕時点での薄型テレビのランキングを見ると、「売れ筋」の上位3つをREGZAが占め、「注目」欄は、1~5位までREGZAが並び、他を圧倒している。16年4月に発売した「REGZA 55Z700X」にいたっては、「売れ筋」「注目」「満足度」で1位に輝いている。
実際に、都内の大手家電量販店の販売員に話を聞くと、「東芝自体の状況は芳しくないですが、テレビ自体の売り上げは悪くなく、むしろ好調です」と話す。
ツイッターで、「REGZA」関連の消費者の声を検索すると、
「やばい、私の好きなREGZAが無くなっちゃうんじゃ...」
「どうなる東芝 ワイのREGZAはサポート終了になるのか」
と不安の声が数多く見つかる一方、
「東芝がやばいみたいですけど、REGZAだけは頑張って欲しい」
「東芝が死んだら日本テレビメーカー終了のお知らせになりそう。REGZAはがんばってほしい」
と応援の声も少なくない。「応援」が「消費」に結びついているのか。
先の販売店員は、「あくまで肌感覚ですが」と前置きしつつ、
「応援だけが目的で購入する人は少ないと思います。ですが、他社のテレビとREGZAで迷った場合に、『応援』が後押しになることはあると思います」
と答えていた。