「結婚生活が1日でも50年間でも相続権は同じ」
宇都宮市で中高年専門の結婚相談所を開き、25年間で約1500組のカップルをまとめた斎藤尚正さんがこう語った。
斎藤さん「印象に残っているカップルがいます。65歳の男性。奥さんをがんで亡くし、娘さんと2人暮らし。さみしくて仕方ない。いい縁があり、お付き合いを始めると、娘さんが人変わりしました。『財産はどうなるの!』と猛反対。結局、破談になり、親子も断絶、父親は現在ノイローゼ状態です」
老親の恋愛・再婚話で一番トラブルになるのが財産相続の問題だ。リポーターの中谷文彦アナが相続の基本知識を図で説明した。妻に先立たれた男性に4000万円の財産があったとする。子どもが2人いると、子どもに2000万円ずつ相続される。再婚話が持ちあがり、後妻が来ると、財産の半分2000万円が後妻に渡り、子どもたちは1000万円ずつになる。後妻に子どもがいると、後妻の2000万円はその子どもに相続される。
柳澤キャスター「仮に再婚期間が1日しかなく、父親がすぐ死んでも後妻に半分がいくのですか?」
相続問題に詳しい本橋美智子弁護士がこう解説した。
本橋弁護士「法律ではその通りです。結婚生活が1日でも50年間でもまったく同じです」
MCの井ノ原快彦「理不尽ですね。途中から来て、半分も持っていっちゃうなんて」
そこで、本橋弁護士が相続でもめないようにする3つの方法をアドバイスした。
(1)生前贈与する。あらかじめ親が生きている間に財産を贈っておく。遺産の前渡しだ。子ども世代は教育費や住宅ローンでお金が必要だ。一度に前渡しすると、大きな贈与税がかかるので、非課税枠がある「暦年贈与」「子育て資金贈与」「教育資金贈与」「住宅取得資金贈与」などを活用するとよい。
井ノ原「生前贈与してからお見合いパーティーに行け、というわけね」
(2)婚姻届を出さない事実婚にする。相続権が発生しないので、子ども側にとっては安心だ。ただし、パートナーの遺族年金の受取人になれるなどの権利は生まれる。また、親側のデメリットとして、パートナーの介護や治療方針の決定権がないなど、子どもとの間にトラブルを抱えやすい。