中国で正男氏に便宜を図った駐在員は粛清
これと並行する形で浮上しているのが「手引き役」の存在だ。
朝鮮日報は2月17日、「ハン・フンイル」と名乗るマレーシア在住の北朝鮮人貿易商が事件に関与していた疑いがあるとして、韓国の情報当局が調べていると報じた。
朝鮮日報が消息筋の話として伝えたところによると、ハン氏は年齢70代半ばで、30年以上マレーシアに居住。北朝鮮が東南アジアで行っている外貨稼ぎの事業を統括する立場にあるという。ハン氏は、正男氏がビジネスでマレーシアに出入りする際にも便宜を図るなどして親しくしてきた。
だが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が政権を引き継いでからは、中国で正男氏に便宜を図ってきた駐在員が処刑されるなど、「正男ライン」に対する圧力が強まった。ハン氏も16年に北朝鮮本国に呼び戻されて調査を受けたが、(1)金日成主席や金正日総書記の誕生日ごとに数万ドル(数百万円)を「上納」してきた(2)マレーシアのエリート層とも太い人脈がある、といった点を考慮され、マレーシアに戻ることが許されたという。
こういった背景から、別の消息筋は、
「ハン氏が生き残ることと引き換えに、正男氏との関係を整理することにした。今回、北朝鮮が金正男氏を暗殺する過程でも情報を提供するなどの役割をした可能性がある」
と解説したという。
聯合ニュースによると、韓国統一省の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は2月17日の定例会見で、この報道について
「今後、確認しなければならない」
と述べた。