金正男(キム・ジョンナム)氏(45)がマレーシア・クアラルンプールの空港で暗殺された事件で、逮捕された実行犯が「いたずら目的だった」などと供述する中、新たな「キーマン」とも言える手引き役の存在も浮かび上がってきた。
元々は正男氏と親しくしていた貿易商が、自分の身を守るために正男氏の居場所に関する情報を北朝鮮側に伝えた可能性がある、というのだ。この「手引き役」の存在を指摘する報道に、韓国当局は「今後、確認しなければならない」としており、今後、「手引き役」の存在がクルーズアップされる可能性もある。
犯行女性「100ドルでいたずらしないか」持ちかけられる
現地警察は2017年2月15日から16日にかけて、ベトナムのパスポートを持つドアン・ティ・フォン(29)、インドネシアのパスポートを持つシティ・アイシャ(25)の両容疑者を逮捕した。現地報道によると、両容疑者は「『いたずら』をするように頼まれた」などと供述しており、フォン容疑者は「私はネットアイドル」などと話しているという。インドネシアのニュースサイトによると、アイシャ容疑者はクアラルンプールのナイトクラブで、見知らぬ男から「100ドル(約1万1000円)でいたずらをしないか」と持ちかけられ、現金を必要としていたため話を受け入れたという。アイシャ容疑者は、フォン容疑者のことも正男氏のことも知らなかったと供述しているという。
マレーシア国営のベルナマ通信は2月17日、
「外国工作員の犯行だと結論づけるのは時期尚早」
「捜査は進行中で、事案は複雑だ」
とする現地警察幹部の声を伝えている。
警察はさらに4人の男の行方を追っており、この4人と北朝鮮当局との関連が注目される。