わが子が「ADHD」でホッとするママ 診断を受けると1人で悩まずにすむ

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   子どもに多い発達障害の「ADHD」(注意欠陥・多動性症)。ADHDの子どもを持つ母親の約6割は「ADHDと診断され、子どもの行動の原因がはっきりしてほっとした」と、むしろ前向きに受け止めていることが塩野義製薬とバイオテクノロジー大手シャイアー・ジャパンが行なったアンケート調査でわかった。

   調査では、母親の約4割が他人からの指摘で子どもの症状に気づくことや教師が親とコミュニケーションを取りづらい実態も明らかになった。

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「育て方が原因ではないと知り安心した」

   塩野義製薬などが2017年2月14日に発表した資料によると、調査はADHDの子どもを持つ母親283人と小学校教師103人を対象に2016年12月に行なわれた。ADHDは、(1)忘れ物、なくし物が多いなどの「不注意」、(2)落ち着いて座っていることができないなどの「多動性」、(3)欲しい物があると激しくダダをこねるなどの「衝動性」が特徴。18歳以下の約5%にみられるという。

   子どもの行動が「性格」なのか「病気」なのか判断が難しいところだが、母親に「子どもの行動の原因が病気かもしれないと感じたきっかけ」を聞くと、半分以上の51.2%が「周りからの指摘」と答えた。指摘してくれたのは保育園・幼稚園・小学校の担任が61.4%、次に多いのが祖父母で22.1%だった。

   「自分の子どもがほかの子と違う困難を抱えていることをどう思っていたか」を聞くと、「何らかの発達障害だと思っていた」が34.3%、「子どもの性格だと思っていた」が31.8%、「ADHDだと思っていた」が21.9%、「多少、ほかの子より活発なだけと思っていた」が19.1%で、「性格」と思っていた人が多い。

   そして、医療機関を受診し、「子どもがADHDと診断された時の気持ち」を聞くと(複数回答)、「症状の原因がはっきりしてほっとした」という人が一番多く59.7%だった。また、「今後の子育ての取り組み方がわかってほっとした」(44.9%)、「育て方が原因ではないことがわかり安心した」(41.3%)と続き、前向きに受け止めている人が多い。もちろん、「子どもの将来が心配で落ち込んだ」(41.7%)、「学校のサポートが得られるか不安になった」(27.9%)と不安を覚えた人も少なくない。しかし、全体の68.5%が「医療機関に行ってよかった」と答えている。

教師の6割が子どもの指導に自信がない

   一方、小学校教師に聞くと、96.1%の人が「ADHDを疑われる子どもを担当した経験を持っている」と答えた。ただ、「子どもへの指導や対応に自信があるか」を聞くと、「自信がある」と答えたのは42.7%だけだった。教師に「保護者に子どもを医療機関などに診せるよう勧めたか」と聞くと、32.7%がアドバイスをしていない。その理由に次の点をあげている。「保護者の理解が得られないと思った」(25.0%)、「保護者がコミュニケーションを望まなかった」(12.5%)などだ。教師と親の連携不足が浮き彫りになった。

   調査結果について、監修を行なった発達障害の専門医、齊藤万比古・愛育クリニック愛育相談所所長は、発表資料の中でこう語っている(要約抜粋)。

「ADHDの認知が広がっていますが、まだADHDの診断を受けず、子どもの行動がADHDからくるのか、そうでないのか悩んでいる保護者が多くいます。できるだけ早く子どもの特性を理解し、能力を伸ばすことが大切です。まずは地域の発達障害者支援センターに相談したり、専門の医療機関を受診したりして、子どもの行動の原因を明らかにすることから始めましょう」
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