教師の6割が子どもの指導に自信がない
一方、小学校教師に聞くと、96.1%の人が「ADHDを疑われる子どもを担当した経験を持っている」と答えた。ただ、「子どもへの指導や対応に自信があるか」を聞くと、「自信がある」と答えたのは42.7%だけだった。教師に「保護者に子どもを医療機関などに診せるよう勧めたか」と聞くと、32.7%がアドバイスをしていない。その理由に次の点をあげている。「保護者の理解が得られないと思った」(25.0%)、「保護者がコミュニケーションを望まなかった」(12.5%)などだ。教師と親の連携不足が浮き彫りになった。
調査結果について、監修を行なった発達障害の専門医、齊藤万比古・愛育クリニック愛育相談所所長は、発表資料の中でこう語っている(要約抜粋)。
「ADHDの認知が広がっていますが、まだADHDの診断を受けず、子どもの行動がADHDからくるのか、そうでないのか悩んでいる保護者が多くいます。できるだけ早く子どもの特性を理解し、能力を伸ばすことが大切です。まずは地域の発達障害者支援センターに相談したり、専門の医療機関を受診したりして、子どもの行動の原因を明らかにすることから始めましょう」