「補聴器の人との会話はマスクずらして」 聴覚障害者が切実に願うわけ

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話しかける時は正面からゆっくりと

   耳が不自由な人は、さまざまな手段を用いてコミュニケーションを取っている。一般財団法人・全日本ろうあ連盟にメールで取材したところ、こう答えた。

「聴覚障害者の聞こえ方は、千差万別です。私たちろう者は、主に『手話』を言語としてコミュニケーションをとっています。手話でのコミュニケーションは手だけではなく、顔の表情、口の形、眉の動きなどで意味をつけています。また、残存聴力がある難聴者は、補聴器に加えて筆談や文字情報などの手段を活用しています。手話、筆談、口話以外の手段としては、空間に文字を書く『空文字』、日本語のかなを指で表現する『指文字』、身振り、アプリやパソコンでの文字入力などがあります」

   会話の時、マスクは外した方がよいかと尋ねると、

「聞こえない、聞こえにくい人にとっては、マスクをとってもらうと一般的にコミュニケーションがとりやすくなります」

という。また、マスク以外にどのような点に留意するとスムーズにコミュニケーションが取れるかを聞くと、次のような答えだった。

「お店でよく使う会話の例やメニューを指差しで使う『コミュニケーション支援ボード』を用意するとよいです。マスクをつけたままで対応する場合は、口が見えるような透明なマスクを使う方法が考えられます。また、1対1のコミュニケーション以上に大変なのは1対多人数のコミュニケーションです。聞こえない人がわかるように発言者が手をあげる、通訳が終わるタイミングを確認して発言する等の配慮が必要になります」

   聴覚障害は外見上分かりづらくもある。どうすれば見分けられるか、また、耳が不自由な人と接する際に配慮できる点があるかを尋ねると、こう回答があった。

「外見からは『聞こえない』ことを見分けることはできません。話しかけたり、後ろからの音に反応がなければ、『もしかしたら聞こえないのかも』と考えてみてください。話しかけるときは、できるだけ正面から、ゆっくり話してください。身振りや筆談等も交えるとなおよいです。手話だと円滑にコミュニケーションをとれる方もいますので、簡単な手話を覚えてみるのもよいです」
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