「事実関係をはっきり説明して欲しい」
その後、事態が大きく動いたのは2月15日。KADOKAWAが、一連の騒動に関する社内調査の結果をまとめた報告書を公表したのだ。
報告書でKADOKAWA側は、誤植の原因は自社のチェック体制の不備にあったことを認めている。具体的には、(1)本来は2回行うはずの校正・校閲作業が1回しか行われていなかった、(2)編集部内で組織的なチェック体制が機能していなかった――といった点が問題だったとしている。
また、「ぷれす」側が適切な校正作業を行っていたと主張していた点についても、具体的な社名は出していないが、
「(KADOKAWAが)提供した校正刷に、内容のチェックならびに修正箇所の指摘(朱字)を正確かつ的確に行い、弊社担当編集者に納品したことを確認しております」
と認めた。
だが、「ぷれす」側は同日中に、この報告書に書かれた内容を訂正するように求める文章を公式サイト上に掲載した。
その中では、報告書の中で社名が出ていなかった点などを問題視し、「とても大雑把な報告書であると判断せざるを得ません」と厳しく非難。その上で、KADOKAWAに対しては、報告書の「訂正を求める」意向を明らかにしていた。
「ぷれす」の奥村社長は2月16日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「あいまいな表現が多く、どこか逃げているような内容の報告書で、これでは何か隠しているのではないかと思ってしまう。弊社の名前をきちんと出して、事実関係をはっきり説明して欲しい。そうでなければ、社の信用と名誉の回復にならない」
と訴えた。