「食後すぐの歯磨きでダメージ」 本当か都市伝説か、学会の見解は

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「酸性の飲食物」の食べ過ぎに注意

   酸蝕症は炭酸飲料や酢、柑橘類の果汁といった酸性(pHが低い)の飲食物や、逆流性食道炎による胃液の逆流によって歯が徐々にもろくなる、成人の口内トラブルだ。

   かつてはメッキやガラス工場で、酸性のガスを吸引することで起きる職業病だったようだが、2015年2月15日に東京医科歯科大学が学会誌で発表した調査では、成人1108人のうち4人に1人にあたる26.1%が酸蝕症だったとするデータが出ている。

   同調査では、近年の飲食物は酸性寄りの傾向があるため、一般に広がっているのではと推測しているが、大規模な調査はまだ行われておらず詳細は不明だ。

   ただし、誰もが必ず酸蝕症になるわけでもなさそうだ。日本小児歯科学会は提言の中で、歯の表面を覆っているエナメル質は酸に強く、唾液も酸を中和する機能があることから、常時酸性のものを口にしているような極端な状態でない限りは、酸蝕症は起こりにくいとしている。

   東京医科歯科大の調査でも、毎日黒酢をちびちび飲んでいた、3か月以上グレープフルーツを1日2個食べていた、など極端な飲食が原因とみられる事例が多い。

   酸蝕症の症状は知覚過敏や冷たいものがしみるなど虫歯と同じだが、歯が徐々に溶かされるため、薄くなって先端部分が透けてくるという。

   とはいえ、素人が外見や感覚だけで虫歯なのか、酸蝕症なのか判断するのは難しい。気になる場合は歯科で診察を受けよう。

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