「埼玉事業所を閉鎖」のリコー なるか脱「複合機一本足」

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高まる業界再編の機運

   ただ、世界的に複合機事業を取り巻く環境は厳しい。世界2位の韓国サムスン電子が16年、首位の米ヒューレット・パッカードに事業売却することを決めるなど、業界再編の機運も高まっている。

   こうした中、キヤノンは従来から手がける複合機やデジタルカメラ以外の新規事業に軸足を移そうとM&A(企業の合併・買収)に邁進している。16年末には東芝から、コンピューター断層撮影装置(CT)や超音波診断装置などを手がける「東芝メディカルズ」を買収する手続きを完了。買収額は6655億円で、キヤノンにとって過去最大の買収案件だ。東芝メディカルズの買収によって医療分野が一気に主要事業に位置づけられた。キヤノンはこれまでにネットワーク監視カメラ最大手であるスウェーデンのアクシスコミュニケーションズやオランダの商業印刷大手オセなどを買収、事業の多角化を急いでいる。そうした効果もあって2017年12月期には営業利益が2550億円と前期比11%増えることを見込む。

   しかし、リコーは事実上、「複合機一本足」が続いている。医療機器などの事業買収を進めているが、どちらかと言うと小粒で主要事業に育つには時間がかかりそうだ。事務機器の市場が縮むなか、新体制での次の一手に市場が注目している。

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