カナダ首相はトランプ氏の横で「移民や難民に開かれた政策を模索し続ける」
日本以外の首脳は、どういう対応を見せているのか。
トランプ氏が大統領就任後に電話ではなく直接会談したG7首脳は、英国のメイ首相、安倍首相、カナダのトルドー首相の3人。
メイ首相は、1月27日の共同会見では直接的な大統領令批判を口にすることはなかったが、帰国後の2月1日の下院での答弁で、トランプ氏の政策が「敵対関係を生む」として「間違っている」と述べた。
2月13日に行われたトランプ大統領とトルドー首相の共同会見では、トランプ氏が「悪い連中を追い出す」と主張する横で、トレドー氏は
「国民の安全を守ることはカナダ政府の基本的な責任」
と前置きをしながらも、
「同時に、安全を損なうことなく、移民や難民に開かれた政策を模索し続ける」
と念を押した。
これに対して2月10日のトランプ大統領と安倍首相の共同会見では、安倍首相は質問に対して
「日本は日本の役割を、今まで果たしてきた。これからも世界とともに協力して日本の果たすべき役割、責任を果たしていきたい。それぞれの国が行っている入国管理、難民政策、移民政策については、その国の内政問題なので、コメントすることは差し控えたい」
とコメントしなかった。共同会見を開いた3人の中では、安倍首相の対応が際立っていると言えそうだ。
G7の残る3か国の首脳も、総じて大統領令には否定的だ。フランスメディアによると、オランド大統領は1月28日の電話会談で、トランプ大統領に対して「難民受け入れという民主主義社会の原則」を守るように求めた。ドイツのメルケル首相は1月30日の会見で、
「テロとの戦いは必要だが、だからといって、特定の信仰を人々、今回はイスラム教徒や特定の国出身であることを理由に、彼ら全体に対して疑いをかけることは正当化できない。こういった考え方は、国際的に難民を支援・協力する基本原則がある、という私の解釈とは相容れない」
と強く批判。イタリアのジェンティローニ首相は1月30日、
「開かれた社会と複数のアイデンティティー。差別がないこと。これらが欧州の柱だ」
とツイートしている。