米CNNの報道番組に映り込んだことで話題のジャーナリスト・上杉隆さんが、J-CASTニュースの取材に応じ、当時の状況を明かした。
「(CNNの)番組キャスターが(映り込みに)怒っている」といった、ネット上の指摘も全否定。「向こうは認識すらしていなかった」と反論する。
テレビカメラとは35メートル離れていた
上杉さんは、17年2月10日の日米首脳会談直後、CNNの報道番組の生中継に映り込んだ。レポーターの後ろで写真を撮影したり、居合わせた人と談笑したりする様子に、日本のネットユーザーから「みっともない」との声が寄せられた。
SNSやブログを通じ、そうした声に「映り込みは偶然だ」と反論する上杉さんだが、実際、当時の状況はどのようなものだったのか。
「『ズームイン朝』みたいに、わざと映り込む人とは違うわけですよ」
上杉さんは日本時間の14日、滞在中の米国ワシントンから、J-CASTニュースの電話取材に対し、開口一番、そう語った。日本のメディアが安倍首相を追ってホワイトハウスのプレスルーム出口に殺到する様子を、スマートフォンで撮影。通りかかった「全米ラジオ局の老記者」と、「あれが日本の『記者クラブ』ですよ」などと談笑していた、という。
CNNの中継が始まったのは、その時だ。
「ホワイトハウスのプレスルームは小学校の体育館くらいの広さです。カメラも何百台と設置されています。そんな状況で、どこにいたら映り込むか、どこのカメラが本番撮影をしているか、わかるわけがない」
当時、CNNのカメラとレポーターはおよそ20メートル、レポーターと上杉さんはおよそ15メートル離れていたという。映像だと、上杉さんがレポーターのすぐ背後にいるように見えるが、実際は距離があったとしている。
番組のキャスターは映り込みを「認識していなかった」
しかし、ネット上では、上杉さんがCNNにわざと映り込み、その行為をCNN側も怒っている、といった認識も、日本のツイッターユーザーの間では、かなり共有されている。
だが、上杉さんはこれを全否定する。CNNのホワイトハウス番記者や、この番組のキャスターであるウルフ・ブリッツァーさん当人に直接確認したところ、自分の映り込みは「まったく認識されていなかった」。むしろ、映り込みに対するネットユーザーの批判を「一笑に付していた」と語る。
「カメラマンも、そしてキャスターも、映り込みなんて気にしていないんですよ。日本の会見と違って、みんな写真をバンバン撮ります。ホワイトハウスに出入りする人は周りを意識することなんてありません」
と反論している。
【追記 2月14日19時】 上杉さんとテレビカメラの距離や「米国のネットユーザー」という表現について誤りがあり、訂正しました。