ジャーナリストの上杉隆さんが日米首脳会談を伝える米CNNの報道番組に映り込み、話題を集めている。
番組は米ホワイトハウスからの生中継。レポートするCNN記者の背後にフレームインし、スマートフォンで写真を撮ったり、現地人と談笑したりする上杉氏の姿が映った映像がツイッターで拡散され、日本では物議を醸すこととなった。
「出口に殺到する日本のマスコミを撮影しただけ」
問題の動画は、17年2月10日(日本時間11日未明)にCNNのレポーター、ダニエラ・ディアスさんがツイートした。この日放送された報道番組の一部らしい。ホワイトハウスで開かれた安倍首相とトランプ大統領の会談の内容を、別のCNNのレポーターが報告している。
中継が始まった瞬間、男性がレポーターのすぐ後ろにぬっと現れる。写真を撮るためか中継カメラにスマートフォンを向けたり、通りかかった女性と談笑したりしている。硬い表情のレポーターと違い、上杉さんが終始笑顔のため、非常に目立つ。ツイッターの動画は、そのままスタジオとレポーターのやり取りを映しながら、30秒ほどで終わる。
その間、レポーターの後ろで映っていた男性が上杉さんだった。上杉さんは当時、日米首脳会談を取材するべくホワイトハウスを訪れており、ツイッターや公式ブログ、主宰するインターネットメディア「NO BORDER」で現地の状況を逐一報告していた。
上杉さんの顔が鮮明に移っていたため、この動画は日本のネットユーザーにも一気に拡散した。ツイッター上では、
「こんなところに上杉さんがいるんだ」
という驚きが広がる半面、上杉さんの行動がCNNに映りこむことを意識していると受け取った人も少なくなく、
「たちの悪いユーチューバーみたい」
「みっともないなぁ」
などの感想も相次ぐことになった。
このためか、上杉さんは、ダニエラさんのツイートに「出口に殺到する日本のマスコミを撮影しただけです」と英語でリプライを返した。
さらに、自身のアカウントで「列に並びながら、米国のラジオ局の老記者と話している直前に(写真を)撮った」とツイートしたり、「日本のメディアの変な集団主義を海外メディアが笑っていたので、写真に撮っていた」というNO BORDERのツイートをリツイート(拡散)したりして、当時の状況を説明している。
そして、「ご覧の通り、どのカメラがどこを狙って、スイッチングがどうされるかなど確認できないですね」とツイートし、CNNへの映り込みはあくまで「偶然」との主張を続けた。