「小錦さんも横綱になれたのではないか」に対して...
これだけ相撲界の将来を考えている理由については「相撲ほど美しいものはないよ。礼に始まり礼に終わる。日本の文化を代表するものなんだ。日本で毎日、着物を着ているのは芸者さんと相撲取りぐらい。負ければ、心の中では悔しくても黙って頭を下げて帰る」と語る。その上で「相撲は日本の国技だって言うなら、国にもっと支援して欲しい」と引退力士の登用も求めている。
最後に、稀勢の里が昇進した今回の基準なら小錦さんも横綱になれたのではないか、と問われると「それは余計なことだよ」と一蹴。一歩引いた視点でこう述べた。
「僕が何か言って変わる? 僕は通算で3回優勝したけど、横綱にはなれなかった。優勝しないで横綱になった人もいる。基準は時代時代で変わる。決めるのは横綱審議委員会だよ。僕の夢はかなわなかったけど、素晴らしい相撲人生だったよ」
稀勢の里の横綱昇進をめぐっては、J‐CASTニュースが1月23日に日本相撲協会に取材したところ、「代表電話にはファンからの声が賛否両論、いろいろと届いています」と話していた。著名人の間でも、三島由紀夫賞作家の星野智幸氏(51)は1月23日、ブログに「もし例えば照ノ富士(編注:大関、モンゴル出身)がこのような状況にあったら、こんなにまで条件を下げて突然の横綱昇進を認めただろうか。これは『日本人』にだけ許された特権ではない、と協会や横審は証明できるのか」などと投稿していた。
小錦さんの今回の記事がツイッター上で拡散されると、さまざまな感想があがっていた。
「相撲への深い愛と人柄がにじみ出ていて泣ける」
「小錦さんの言うように、稀勢の里が横綱になったことで相撲に関心を持ってもらうのはいいことだな」
「実感がこもった真実。外国人力士の言葉は外国人奏者の私に刺さる」
「小錦氏の人間性や価値観に敬意を表するとともに相撲という国技に対する日本国民としてどう向き合っていくのかを改めて考えさせられる」
「とはいえ連続優勝も無いしなぁ。成績的にも曙・武蔵丸と比べると格が落ちる」
「彼は大きくて強くてバッシングされてた記憶がある。切ない記事だと思うんだよな...」