三重交通は同伴者も半額
そうしたなか、運転経歴証明書を提示すると、さまざまな特典や優待を受けることができる支援策を、地域の交通機関が相次いで導入、リニューアルしている。
三重県津市の三重交通(グループ4社)は、運転免許を返納した人を対象に乗り合い路線のバス運賃を3月1日から半額(10円未満切り上げ)にする。同社の一番安い運賃(初乗り)の場合、180円が90円になる。三重県内の路線バスでは5社が運行しているが、同社が半額にしたことで、運転免許の返納者は県内全域で半額になる。
利用者に年齢制限はないが、運賃の支払い時に「運転経歴証明書」を運転手に提示する必要がある。また、家族や友人などの同伴者も1人に限り半額でバスに乗れる。同伴者の割引は全国でも初めてという。
2017年2月7日、J‐CASTニュースの取材に三重交通は、「じつは三重県は全国的にみても、高齢者の運転免許の返納率が悪いんです。そのため、ご家族や友人の方からも返納を勧めていただければと思い半額にしました」と話した。
あわせて、2011年から導入している運転免許の返納者向けの、フリー定期券「セーフティーパス」をリニューアル。これまでの6か月定期券(3万円)と1年定期券(5万円)の2種類に、新たに1か月定期券(5000円)と3か月定期券(1万3000円)を用意したほか、6か月定期券を2万5000円に、1年定期券を4万8000円に値下げした。
同社は、「地域によっては、飲食や買い物の割引サービスなど返納者の支援が充実しています。三重県はその点が遅れているので、その(支援強化)きっかけになればと思っています」という。
また、佐賀県バス・タクシー協会も、運転免許を返納した高齢者のタクシー運賃を1割引にすると、2017年1月23日に発表した。3月12日から、県全域で適用する。さらに、高知県では土佐くろしお鉄道(中村・宿毛線)や、高知西南交通や宇和島自動車、JR四国バスなどが運賃を半額に、熊本県の九州産交バスも運賃を半額にしている。