米紙ワシントン・ポストの2017年2月9日付の紙面に、お笑い芸人の渡辺直美さん(29)へのインタビュー記事が1ページの紙幅を丸々割いて掲載された。
記事のタイトルは「In super-skinny Japan、she's living large」。その内容は、痩せ細った体系の女性ばかりが持て囃される日本で、ぽっちゃりとした体形のまま成功をおさめた渡辺さんの思いや生き様を紹介したものだ。
所属事務所によると、体重は95キロ
渡辺さんのインタビュー記事は、紙面に先駆けてワシントン・ポスト電子版に2月8日に掲載された。それによると、記事の中で渡辺さんは、
「太っている日本の女性の考え方を変え、彼女たちが前向きに生きるための手助けをしたい」
との思いを明かしている。
インスタグラムで約590万人のフォロワーを抱え、中高生など若い女性を中心に支持を集める渡辺さん。ビヨンセなど海外タレントのモノマネで2008年に大ブレークを果たし、現在は芸人としての仕事だけでなく、ファッションブランドのプロデューサーやモデルを務めるなど多方面で活躍している。
そんな渡辺さんは、豊満な体を活かした「デブキャラ」としても知られる。所属事務所の公式プロフィールによると、体重は95キロ。16年9月のインスタグラムでは、自身の体重が101キロに達したことを報告していた。
今回のワシントン・ポスト記事では、日本には太った女性が極端に少なく、特に20代の女性では5人に1人が体重不足や栄養失調状態にあると指摘。その上で、渡辺さんの存在を、
「あなたが痩せていなくても、自信を持って幸せになれることを証明するものだ」
と評している。続けて、渡辺さんはインスタグラムの投稿を通じて、「ありのままの自分の体を前向きに捉えて欲しい」という思いを発信しているとも分析していた。
日米首脳会談よりも大きな扱い
また、記事では奇抜なファッションに身を包んだ渡辺さんの「自撮り写真」も掲載している。その写真説明欄には、
「渡辺直美は、痩せた女性が称賛される日本であっても、太った女性がファッションを楽しみ、自分の体を前向きに捉えることの『お手本』になるという使命を果たした」
というワシントン・ポスト記者からの称賛の言葉が綴られていた。
そのほか、記事の中では、渡辺さんが「太った女性が着ることができるお洒落なブランドがなかった」ことを理由にファッションブランドを立ち上げたことも紹介していた。
こうした記事の内容は国内外の読者からも大きな注目を集め、日本のツイッターには、
「なんかこう、海外の異文化フィルター通して読むと渡辺直美がいかに一貫性を持って己を貫いているか、日本に蔓延る既成概念と闘っているかが分かる」
「ワシントン・ポストを読んでたら、いきなり渡辺直美がデカデカと記事になってて驚いた」
といった反応が数多く出ている。
そのほか、2月9日付のワシントン・ポスト紙面では、同日に日米首脳会談のために訪米した安倍晋三首相に関する記述よりも、渡辺さんの特集の方が大きく取り上げられていたとして、
「ワシントン・ポスト、日米首脳会談には目もくれず代わりに渡辺直美を大特集してるとか朝から腹がよじれる」
と驚く読者の書き込みもネット上には見られた。