国公立大学の一般入試前期日程(2017年2月25、26日)前後に福岡市内でイベントが重なり、受験生がホテルを予約しにくくなっている問題で、企業や自治体の取り組みが進んでいる。
自治体は相談用の相談窓口を設けたり、企業が自社所有の施設の空室を無料で貸し出したりしている。施設によってはまだ空きがあるところもある。
J Soul Brothersなどのコンサートに薬剤師国家試験...
福岡市内はホテル不足が慢性化しており、ヤフオクドーム(中央区)のコンサートと、市内での各種学会などの開催が重なるたびに問題化してきた。今回は、ヤフオクドームで三代目 J Soul Brothers、マリンメッセ福岡(博多区)でRADWIMPSのコンサートが開かれるのに加えて、市内の大学では薬剤師の国家試験が行われる。薬剤師国家試験は、九州では福岡市が唯一の試験会場だ。この3つのイベントが入試と重なり、予約サイトでは2月24、25日は、ごく一部の高級ホテル以外は満室状態になっている。
こういった事態を受け、福岡市は2月2日、宿泊情報を提供する「宿泊相談ホットライン」を設けた。民間でも、不動産開発の福岡地所が2月1日、所有するマンション「ルポ県庁口」(博多区)のうち40室を無償で貸し出すと発表。JR九州も2月8日、「吉塚寮」(博多区)の部屋を男性向けに14室、女性向けに13室無償で貸し出すと発表した。「sakurasaku@jrkyushu.co.jp」という申し込み用アドレスも、ネット上で話題を呼んだ。いずれの施設も、九州大学の文系学部の大半の入試が行われる箱崎キャンパス(東区)まで地下鉄やJRで数駅の便利な場所だが、意外にもまだ空きがあるという。