米国のドナルド・トランプ大統領(70)の「親バカ」っぷりに、非難が相次いでいる。
米百貨店大手のノードストロムが、トランプ大統領の長女、イバンカさん(35)が手がけるファッションブランドの取り扱いの停止を決めたことに、トランプ大統領がいつものようにツイッターで「口撃」したのが、きっかけだ。
「イバンカはノードストロムに大変不当に扱われている。ひどい!」
米メディアによると、米国とカナダに約350店舗を展開する百貨店大手のノードストロムは2017年2月3日(米国時間)、トランプ大統領の長女、イバンカさんの名前を冠したファッションブランド「イバンカ・トランプ」の商品を、今シーズンは買い付けないことを明らかにした。売り上げが苦戦していることがその理由で、イバンカさん自身には1月前半に販売中止を伝えたと、報じている。現在、ノードストロムのWEBサイトでは在庫を販売している。
米国では「イバンカ・ブランド」の販売を中止する小売業者が相次いでいる。トランプ大統領や家族に関連する商品の不買運動が起きていることから、売れ行きに影響しているのかもしれない。
これに対して、トランプ大統領は2月8日付のツイッターで、ノードストロムを「口撃」。「イバンカはノードストロムに大変不当に扱われている。ひどい!」と書き込み、ノードストロムを批判。さらに、「彼女は素晴らしい人間だ。わたしがいつも正しいことを行うよう、後押ししてくれている」と綴り、イバンカさんを擁護した。
トランプ大統領は大統領選の勝利以降、ツイッターなどで、フォード・モーターやゼネラルモーターズが生産拠点を米国外に移転することを批判するなど、民間企業の経営に異例の介入を続けてきた。
しかし、今回の「ツイッター口撃」は、娘のビジネスを擁護したことで、「大統領の立場を利用している」との非難を招き、利益相反する懸念が指摘されている。また、トランプ大統領が自身のツイッターに投稿したあと、大統領公式アカウント(@POTUS)でリツイートしたことが、「公私混同」とみられたようだ。
さらに、「公私混同」との批判がやまないのは、ホワイトハウスのショーン・スパイサー大統領報道官が、トランプ大統領を擁護したこと。スパイサー報道官は2月8日の定例会見で、ノードストロムの決定はトランプ大統領の政策への不満を背景としたイバンカさんへの攻撃と主張。「娘の名前が中傷され、大統領は父親として娘のために擁護しただけ」と弁明した。
「ホワイトハウス」の情報発信が「公私混同」批判に、火に油を注いだようだ。