薬とサプリを飲むなら2時間空けてから
「水がないから」と錠剤やカプセルをそのまま飲むのは大変危険だ。食道に薬がくっついて溶け、その刺激で潰瘍ができるおそれがある。
特にカプセルは、表面がゼラチンでできていて、少量の水が付くとのり状になりくっつきやすくなる。水と一緒に一気に流し込むのが大事だ。
最近では、水なしで飲める「OD錠(口腔内崩壊錠)」という薬も登場している。ラムネのように口に入れるとシュワっと溶けるもので、唾液で流れるので食道への危険もない。
カプセルの薬は、カプセルを外して中身だけ飲んだ方が効果が高そうと思っている人がいるかもしれないが、これは間違い。カプセルは胃酸で薬が溶けるのを防ぎ、腸まで届ける役割があるので、外すと薬の効果が発揮できない場合がある。
処方薬には有効期限が表記されていないが、5日分として処方されたものは6日目以降は飲まない方がよい。医師は診察日の患者の容態に合わせて薬を処方しているので、期日を過ぎると副作用が出る危険がある。
抗生物質を処方された際は、症状が改善されたと思っても飲みきらなくてはならない。
例えば100匹の菌がいた場合、5日分の抗生物質をもらったが3日で飲むのをやめ、菌が5匹生き残ってしまったとする。残った菌は抗生物質に耐性を持ち、どんどん耐性菌をふやす。その結果、次に同じ抗生物質を飲んでも効かなくなるおそれがある。
普段飲んでいるサプリメントを、薬と同時に飲むのはNGだ。抗生物質とカルシウムのサプリメントを一緒に飲むと、カルシウムが抗生物質の成分にくっついて分子が大きくなり、吸収されにくくなるなど、飲み合わせが悪いものがある。
全てのサプリメントがダメなわけではないが、一般の人には見分けが付かないので、やめておいた方が無難だ。同時ではなく、2時間程度時間を空けてから飲むとよい。
胃腸薬は、胃酸が出すぎて胃が痛い時、アルカリ性の成分で中和する作用がある。オレンジジュースなど酸性の飲み物で飲んでしまうと、口内で中和してしまい薬の効果がなくなるので、水で飲むようにしよう。