鳥インフルエンザの感染について、全国各地で報告が相次いでいる。環境省によると、野鳥などに広まっている感染件数は過去最多に達する勢いだ。
影響は、東京にも及んできた。東京都と環境省は2017年2月3日、足立区の住宅街で回収されたオナガガモの死がいを国立環境研究所が遺伝子検査したところ、体内にA型インフルエンザウイルス遺伝子があることが確認されたと発表したのだ。
野鳥の死骸を見つけたらどうする?
東京都環境局はJ-CASTヘルスケアの取材に対して、発見されたカモは北海道大学で確定検査が行われている最中で、実際に鳥インフルエンザに感染していたかどうかを確認する。結果は1週間ほどで判明する。遺伝子検査の段階では陽性だったが、確定検査の結果「陰性」となる可能性もあるという。
2014年にも東京都大田区で回収された野鳥の死がいが遺伝子検査で陽性となったが、確定検査の結果、感染は確認されなかった。
同局の担当者は、冬から春先にかけては、寒さや餌の不足から野鳥に限らず多くの野生生物が死ぬことは珍しくなく、野鳥が死んでいるからただちに鳥インフルエンザだとは限らないと話した。
同局のウェブサイトによると、もしも野鳥が死んでいた場合でも、鳥インフルエンザの可能性は極めて低く、「10羽以上の野鳥が一度に死んでいる」「連続して同じ場所で死体を確認する」といった状況でなければ、野鳥の死がいはビニール袋に入れて封をしたうえで、廃棄物として処理して構わない。
ただし、鳥インフルに感染している恐れはゼロではないため、素手で触るのは厳禁だ。羽や粉末になったフンを吸い込まないようマスクなどで防護すると、ウイルスに接触する可能性をさらに抑えることができる。
「濃密接触」による感染に注意
環境省によると、2月7日現在、鳥インフルエンザへの感染が確定した野鳥は20道府県 211件で、東京都はゼロ。国内ではこれまで、鳥インフルエンザウイルスが野鳥から人へ感染した例は確認されておらず、ハトやカラスを必要以上に警戒する必要はないとしている。ただし、鳥インフルエンザに感染したニワトリなどの家禽と、近距離で濃密に接触し続けた場合などに人へ感染した事例はある。注意は必要だ。
また、野鳥も鳥インフルエンザ以外の様々な細菌や寄生虫を持っているため、過度な接触や餌やりは控え、糞尿には直接触れないよう心がけてほしいと呼び掛けている。