スクールガーディアンは「鍵アカ」も見てる? 運営社に直撃、その回答とは

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   「マジで怖すぎる」「このツイートも見られとんのか」――。学校の生徒がSNSに寄せた書き込みを監視する「スクールガーディアン」というサービスをめぐり、いまインターネット上にこんな悲鳴のような書き込みが相次いでいる。

   全国各地の中高生から、驚きや戸惑いの声が相次いだ今回の騒動。そのきっかけとなったのは、スクールガーディアンの担当者がテレビ番組で口にした「意味深な一言」にあった。

  • 生徒のSNSを「見守る」サービスが物議
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「ネタでやったツイートまで...」

   2017年2月6日放送のバラエティー番組「好きか嫌いか言う時間」(TBS系)では、ネットいじめを防止するために一部の学校が導入しているスクールガーディアンというサービスが紹介された。

   番組では、現役の高校1年生女子がサービスの内容について説明した。この女生徒は、

「いじめ以外でも、何かちょっと問題のある発言をしたら、(投稿の)スクリーンショットを印刷したものが学校に渡される」

として、「ネタでやったツイートとかまで注意されてしまう」と指摘。学校側から呼び出され、アカウントを削除された生徒もいると訴えた。

   こうした生徒側の意見に対し、番組の中ではスクールガーディアンを運営するadish(アディッシュ)の社員が反論。生徒の書き込みを「監視」しているのではなく、「見守っている」とした上で、

「悩んでいる記述や、体を傷つける写真を載せていたりとか、そういうものを一番見つけてあげたいと思っています」

と説明した。その上で、ネタツイートを学校側に報告する理由については、「周りが勘違いして騒ぎになってしまう可能性もある」としていた。

   こうしたサービスについて、番組の出演者からは「『鍵アカ』(編注・当人が許可した人以外には非公開のアカウント)でも見れるの?」という質問が飛んだ。これに対し、スクールガーディアンの担当者は、

「その仕組みは言えないです、企業秘密もありますので」

と返答した。

   こうした「意味深な一言」が、ネット上の中高生の間で激しい議論を呼ぶことになった。この発言を「スクールガーディアンは非公開アカウントもチェックできる」と受け取ったネットユーザーが続出したことで、ツイッターに批判的な書き込みが相次いだのだ。

運営側「利用規約に反するような使い方はしていない」

   実際、番組の放送中からツイッターやネット掲示板には、中高生とみられるユーザーから、

「スクールガーディアンとかマジで怖すぎる」
「怖すぎ... 鍵垢でも監視されてるみたい」
「鍵垢も見られてんの控えめに言って気持ち悪い」

といった悲鳴のような書き込みが殺到。なかには、「人権侵害じゃね?」「勝手に見るとかプライバシーの侵害だろ」と訴える投稿も数多く見られた。

   はたして、スクールガーディアンでは本当に「非公開アカウントの投稿」も確認できるのだろうか。サービスを運営するアディッシュの藤澤寿文(としふみ)社長室室長は8日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「鍵付きアカウントを『見ている、見ていない』についても企業秘密として、公表を差し控えさせていただいております。ただ、ツイッター社の利用規約に反するような使い方はしていません」

と説明する。

   藤澤氏によれば、そもそもスクールガーディアン側は「生徒のアカウントを個別に把握・管理しているわけではない」という。同サービスでは、ネット上に寄せられた問題のありそうな投稿の文脈を読み解くことで、

「○○高校の生徒による書き込みではないか」

と判断し、学校側に連絡をするプロセスを取っているという。

   なお、スクールガーディアンが行うのは投稿の内容を学校側に連絡するまでで、どのような指導を行うかについては「基本的には、教育の専門家である先生方に任せている」(藤澤氏)。チェックする投稿の基準については、

「公序良俗に反するかどうかよりは、生徒がトラブルを抱えていないかという点に主眼を置いています」

と話していた。

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