「学費はアルバイトで賄え」 67歳「奨学金批判」に大ブーイング

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一般物価よりも速いペースで授業料が上昇

   「経緯を分かっていない」という批判には、投書の主と現在の大学生が置かれている環境の違いがあるようだ。投書した男性の大学入学時とほぼ重なる50年前と現在を比較してみる。

   総務省の小売物価統計調査によると、1967年の私立大授業料はおよそ7万4100円/年(6175円/月)、国立大授業料はおよそ1万2000円/年(1000円/月)だ。

   また、2016年の物価は1967年のおよそ3.7倍。あくまで参考値だが、この授業料を16年の物価に換算すると、私立大授業料でおよそ27万3800円/年(2万2800円/月)、国立大授業料はおよそ4万4400円/年(3700円/月)となる。

   しかし、小売物価統計調査によると、2017年1月時点の大学授業料(東京都区部)は、私立大文系で75万122円/年、理系は110万963円/年、国立大授業料は53万5800円/年、理系は53万5800円/年と、大きく上振れしている。

   17年1月時点の入学費(東京都区部)は、私立大と国立大で22万円から28万円かかり、授業料と合わせて入学時に支払う初年度納付金は、100万円を超えるケースも珍しくない。大学の授業料が一般の物価よりも非常に速いペースで上昇し、50年前に比べれば、他に比べて極めて高い負担になっている。

   一方、学部卒の大卒初任給は1967年の2万6200円が2016年には20万3000円と、10倍近くに上がっているのも事実だ。

   とはいえ、今の学生からすれば、「アルバイトすれば学費は賄える」という先輩の言葉は、「古き良き時代」を生きた人たちの言葉に聞こえてくるようで、こうした世代間の認識のギャップがツイッター上のブーイングにつながったようだ。

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