「苦学した私から見るといい時代になった」――。67歳の男性が新聞投書で「給付型奨学金」を批判し、話題を呼んでいる。
高校時代のアルバイトで、大学の入学費を捻出したという男性。奨学金で学費を賄おうとする現代の大学生に、「健康であればアルバイトで賄える」とキツい一言を投げかけた。
しかし、ネットでは「経緯をわかっていない」「若い方のことを考えなさすぎ」と大ブーイングが巻き起こっている。
「苦学した私から見るといい時代になった」
投書は、17年2月5日付けの毎日新聞朝刊「オピニオン欄」に掲載された。タイトルは「自力で学費勝ち取る気概も」。
導入部のテーマは、1月31日に閣議決定された日本学生支援機構法改正案だ。原則「貸与型」しかなかった同機構の奨学金に「給付型」を加えるもので、2017年度予算案に基金の創設も盛り込まれた。18年度の本格実施へ向け、4月1日から一部の下宿生らを対象に先行実施される。支給基準は現行の貸与型より厳しいが、返済は不要だ。
男性はこの法改正について、「苦学した私から見るといい時代になった」と評価する一方、「健康であれば(学費は)アルバイトで賄える」と苦言を呈した。
高校時代、大学へ進学するため、「近所の子どもを集め学習塾を始め、休日には土木工事のアルバイトを続け」貯蓄に励んだ。その甲斐あって、「入学費用等」はすべて用意できたという。
男性は入学後もアルバイトを続け、「アルバイトを通じて実にたくさんのことを学んだ」と振り返る。そして、「古き良き時代だったのかもしれぬが、私の周囲にも親を当てにせず学んだ人は多い。自身の力で学んでいるそんな学生の力強い声を聞きたい」と自立の必要性を説いた。人生の先輩が大学生へ送る、厳しいエールだ。
しかし、この投書がツイッターに紹介されると「炎上」状態に。
「若い方のことを考えなさすぎ」
「経緯をわかっていない」
「年代考慮いれろ」
と反発の声が相次いだ。