LINEは示せるか 成長への次の一手

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タイ、台湾、インドネシアに集中展開する戦略に

   ただ、野村証券は「広告の立ち上がりは予想を下回ったが今後は期待がもてそう」とのコメントを出し、SMBC日興よりはやや楽観視する。ただ、野村にしても2016年12月期の営業利益予想は240億円で、実績とは大きな開きがある。野村は「四半期ごとにみれば復調の兆しがみえる」としている。

   一方、従来からLINEの課題は、事業展開が国内の個人ユーザーに偏っていること、と指摘されている。ただでさえ国内市場は少子高齢化が進んでおり、個人のLINE利用者は早晩、頭打ちになるだろう。そこで国内では企業が消費者にメッセージを送るシステムなど、企業向けビジネスを拡大している。これはこれで一定の成果を挙げてはいるが、現状の海外売上高比率は27%にとどまるだけに、やはり海外展開が重要となる。

   LINEはかつて、欧米進出を狙い、昨2016年の株式上場も日米同時だった。しかし、米フェイスブックなどの壁が高く、ほとんど参入できていないのが実情だ。そこで昨年、親日国のタイ、台湾、インドネシアの3か国・地域に集中展開する戦略に切り替えた。利用者は計1億人を超え、日本の1.5倍の規模に成長した。ただ、個人向けサービスにとどまり、広告や企業向けサービスが弱いのが現状。重点3か国・地域でビジネスを深化させることに成功すれば、株価も上昇基調に乗る可能性がある。

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