東京都の石原慎太郎元知事が2017年2月5日、ツイッターで小池百合子知事に「反撃」した。築地市場の豊洲移転をめぐる都からの質問状に石原氏が具体的な回答をしていないとの指摘は「間違い」だというのだ。
小池氏は、豊洲の土地購入をめぐって住民が起こした行政訴訟の対応について、石原氏の責任問題を再検討する方針を打ち出しており、記者会見では「逃げてしまっているという印象は良くない」と説明を求めていた。こういった中で、石原氏としては、「説明していない」との批判に反論する狙いがあるようだが、公の場での説明に応じるかどうかは明言していない。
「記憶を遡りながら誠意をもって回答」
石原氏がツイッターを更新するのは約4年ぶりで、
「世の中では今もなお、小池知事による豊洲問題に関する質問状に対し、私が具体的な回答をしていないということであるらしいが、それは間違いです。私は全ての質問に対し、ひとつひとつ記憶を遡りながら誠意をもって回答した。質問・回答の全文は、文芸春秋本誌の昨年12月号に掲載した」
と書き込んだ。
石原氏は16年10月、都の質問状に対する回答文で、豊洲の用地を東京ガスから購入する交渉をした際の経緯を
「場面、場面で決裁を求められたことはあったのかもしれませんが、大型構造物の建築や土壌汚染といった専門的、実務的内容に鑑みても、詳しい交渉の経過の報告は受けていなかったと思います」
「私自身は交渉に全く関与しておりません。すべて浜渦に任せておりました」
などと説明していた。小池氏は11月1日の会見で、石原氏の回答を
「『これについては思い出せない』『記憶にない』といったような言葉ばかりで、ほぼノー回答だったと思います」
と酷評。対面や書面で引き続きヒヤリングを進めていく考えを示していた。