災害連絡用の「公衆電話」が設置されている場所は...
1950年代の「赤電話」の時代から、誰もが有料で利用できるインフラとして提供されてきた公衆電話だが、近年は続々と姿を消している。公衆電話の利用率は漸減。それに伴い売り上げも低下し、採算が合わなくなったため、「撤去」の動きは止まらないようだ。
総務省によると、日本国内の公衆電話施設数(NTT東日本とNTT西日本の合計)は、2016年3月末に、17万1179台。前年同月から、6.8%減った。10年前(2007年3月末、36万819台)と比べると、52.6%減と半数以上も少なくなっている。
現在ある設置場所から、どんどん撤去されている公衆電話だが、これでは災害時などの緊急時には心もとない。2017年2月2日のJ-CASTニュースの取材に、日本公衆電話会は「特設公衆電話をご存知ですか」と聞く。最近は、この「特設公衆電話が増えています」というのだ。
まったく見かけないうえ、気にもとめていなかったが、NTT東日本によると特設公衆電話とは「災害時用公衆電話」のことで、ふだんは電話機を設置していないが、災害時にすぐに設置して通話ができるよう、「モジュラージャック」だけを用意しておく公衆電話のことをいう。肝心の電話機は、ふだんは倉庫などに保管されているそうだ。
設置場所の多くは、災害時に避難場所に指定される小・中学校や町の公民館、市町村役場など。NTT東日本は、「災害時用公衆電話は以前からあったのですが、2011年の東日本大震災以降から増えています」と説明。その数は、2016年9月末時点で3万4758台(1万6635か所)に設置。東日本大震災があった1年後の2012年3月時点(約7000台)から、4年半で2万7000台も増えた。
もちろん、NTT西日本のサービス提供エリアでも設置が増えている。電話回線をつなげば、町の公衆電話と同様、「優先電話」(災害時優先通信)として利用できる。