「寝る子は育つ」は科学的に本当か 子育ての通説、ビッグデータで検証

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   「寝る子は育つ」とか「女の子は育てやすい」など、子育てに関する言い伝えは多いが、実際に研究で確かめたケースが意外に少ない。子どもの発達と病気を研究する国立成育医療研究センターは2017年1月31日、育児中の生活記録を入力するスマートフォン(スマホ)向けのアプリで集めたビッグデータを使い、子どもの成長を分析する研究を始めたと発表した。

   たとえば、子どもの睡眠時間と身長・体重の伸びの関係を1億件以上のデータから解析、「寝る子は育つ」が本当かどうかなどを科学的に立証する。

  • 「寝る子は育つ」というが真実?
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1億件データから「母乳の子は丈夫?」は本当か

   国立成育医療研究センターの発表資料によると、研究はITベンチャーのファーストアセントが開発したアプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」を利用する。アプリのユーザーは、スマホを育児のメモ代わりに使っており、子どもの成長や生活記録(睡眠、授乳、排せつ、体温、健診での身長・体重測定値)を入力する。研究への協力を同意したユーザーは約17万人おり、合計1億件以上のデータが蓄えられている。

   「子どもの健康状態を知る上で、その実態を、個人差を含めて知ることがとても重要です」と研究チームは発表資料の中で強調する。たとえば、生後1か月の赤ちゃんの排便回数は「3日に1回」の子もいれば、「1日に6回」の子もいて個人差が大きい。排便回数は母乳か人工乳かによっても影響を受けるし、月齢の経過とともにどんどん変わるが、実態は不明だった。

   厚生労働省が10年おきに「乳幼児栄養調査」を行ない、その中で「排便回数」を聞いているが、回答は「ほぼ毎日排便がある」から「便秘の治療を行なっている」まで6つの選択肢から選ぶ方式だ。しかし、親の記憶に頼っており、データの数も少ない。アプリのビッグデータを使うと、リアルタイムで排便回数の平均値や個人差のばらつきを高精度に調べることができるばかりか、「授乳後何時間で排便しやすいか」といったことまでわかる。

   また、「睡眠時間と身長や体重の伸びに関係がある?」(寝る子は育つ?)、「発達の早さに男女差はある?」(女の子は育てやすい?)、「母乳と人工乳ではどちらがよく眠る?   熱を出しにくい?」(母乳の子は丈夫?)など多くの素朴な疑問を検証することができるという。

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