MRJ、5回目の納入延期 日の丸旅客機復活は2020年

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国交省にも安全性証明の責任が

   もっとも、航空機の専門家の間には「旅客機の開発にトラブルはつきもので、当初予定が延びるのは避けられない」との見方がある。航空機のライフタイムは30~40年と長く、「開発段階で初期不具合が発生するのは、ボーイングでも避けられない」という。事実、ボーイングの最新鋭機B787も、エンジンが習熟するまでは狙った燃費を達成できず、バッテリーの過熱など大小のトラブルが発生した。

   国産旅客機の開発は、国際民間航空条約に基づき、設計・製造国として、日本の国交省が「MRJの設計が安全・環境基準に適合する」ことを証明する責任を負っている。三菱重工と同様、国交省にとっても、国産旅客機の安全性審査はYS-11以来、約半世紀ぶりとなる。このため、国交省は「安全性審査に当たり、米国、欧州の航空当局の担当者と密接な連携を行っている」という。

   国交省は「これまでのところ、設計・製造国としての安全性審査は順調に進んでおり、わが国の審査の内容や体制について、欧米当局から特段の問題点の指摘はない」としている。三菱重工が外国人の専門家を招いて設計を見直したことで、「初期トラブルがなくなり、洗練された飛行機になるのではないか」と、関係者の間ではむしろ期待も高まっている。

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