検索サイト側にも責任の一端
「まとめサイト」問題をめぐっては、「WELQ」騒動後、運営各社が新たなガイドラインを設けたり、不適切な記事を削除・再編集したりして対応してきた。
まとめサイトの代表格「NAVERまとめ」を運営するLINE(東京都渋谷区)は16年12月5日、サイト運営に関する「新方針」を発表。「まとめ」作成者の審査や、情報元サイトにも広告収益の分配をするなどとし、17年内の運用開始を目指すとした。
ノウハウ共有サイト「nanapi」を運営するKDDI子会社のSupership(東京都港区)は12月9日、医療関係の記事を中心に一部の記事を非公開することを発表。記事の根拠や正確性が十分である判断できたものから順次公開していくとした。
一方、グーグルやヤフーといった検索結果の順位を決定している「検索サイト」にも問題の責任はある、といった批判は少なくない。
「WELQ」は、SEOに注力し、「検索サイト」に評価されるような記事を量産していた。「肩こりがひどいのは病気が原因?気になる怖い病気とセルフ対処法」(16年8月配信)といった「トンでも」記事が上位に表示されていたのもSEOの賜物だ。グーグルは「Google検索エンジン最適化スターターガイド」といった資料まで公開し、SEO対策を推奨している面もある。
一方、記事を表示する検索サイト自身の責任問題も浮かび上がっている。検索サイトで自分の名前を入力すると逮捕歴に関する情報が表示される男性が、その検索結果の削除を求めた仮処分申請について、最高裁は17年1月31日付で、男性の抗告を棄却したものの、検索サイトの「公益性」を重視し、削除に高いハードルを課したばかりだ。最高裁は
「検索結果の提供は、検索事業者の表現行為という側面を持つ」
と指摘。必要な情報を探すのを助ける検索サイトには「情報流通の基盤」としての役割があるとし、「トンでも」記事を紹介することに「検索サイト」も一定の責任を負わせたといえる。