ダウン症の当事者、支援者、専門家が連携した国内初の学術団体「日本ダウン症会議」が2017年2月1日、発足した。
これまでダウン症をめぐる社会的な活動は主に当事者団体の「日本ダウン症協会」が担ってきたが、専門家団体である日本ダウン症療育研究会、日本発達障害学会の協力を得て専門家も加わる新組織を作り、幅広い分野での情報の共有と啓発活動を目指す。
医療、福祉の専門職にも実像が伝わっていない
日本ダウン症協会の発表資料によると、ダウン症は染色体の異常によって起こり、知的な発達が通常よりゆっくり進むなどの特性がある。ダウン症の人の中には、芸術やスポーツなど様々な分野で活躍する人が次々と現れる一方、出生前検査・診断の広がりで、議論の矢面に立つことがあり、福祉や教育で転機を迎えている。国内に専門の学会がなく、療育や医療、福祉の専門職の間にも実像が伝わっていない。情報を共有する仕組みもなかった。協会だけの活動では限界を感じ、広く専門家の協力を得る必要性を感じていたという。
2017年11月11~12日には初の大会を東京都内で開き、出生前診断をテーマとした公開講座などを予定している。