「代わり見つけなければ罰金」 セブン「独自ルール」に浮かぶコンビニ求人地獄

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   東京都武蔵野市内のセブン-イレブン加盟店が、病欠したアルバイト店員に「ペナルティ」を科した件が大きな注目を集めている。代わりの人を探さなかったことを理由に、休んだ時間分を罰金として減額していたのだ。

   本来、代わりを見つけるのはアルバイトの仕事ではない。今回の問題からは、コンビニの人手不足や求人の難しさが改めて浮き彫りになった。

  • セブン-イレブン加盟店の罰金対応に注目集まる
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「ペナルティ 935円×10時間 ¥9350」

   親会社セブン&アイ・ホールディングスの広報センターによると、ペナルティを科せられたのは、同店でアルバイトとして働いていた16歳の女子高生。

   2017年1月下旬、女子高生は風邪を引いたため、シフトの入っていた2日間(計10時間)を欠勤した。26日にバイト代を受け取ったところ、実際に働いた25時間分のバイト代から休んだ時間分に相当する額が差し引かれていた。

   広報センターによれば、この店には、休む際に代わりを探さないとペナルティを科すという「独自のルール」があったという。実際、女子高生の家族が26日にツイッターに投稿した写真を見ると、「ペナルティ 935円×10時間 ¥9350」と書かれた付箋が給与明細に貼られていた。

   労働基準法91条では、就業規則で定める減給制裁の上限として「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」としている。セブン&アイは、店側の対応はこの法令に違反すると判断。差引額の全額返済を指示したという。

   広報センターの担当者はJ-CASTニュースの取材に「加盟店の法令に対する認識不足で本当に申し訳ない」とコメント。また、「全体を管理するのはオーナーの役割。ペナルティを科すというルール自体も不適切だった」と話した。

低賃金のわりに覚える業務が多い

   今回の問題は、単に一店舗の暴走と片付けていいものではなさそうだ。店側が設けていたという「独自のルール」からは、シフトの穴が容易に埋められないという人手不足の現状がうかがい知れる。

   コンビニの数は今や日本全国に5万店以上。その多くが慢性的な人手不足に悩み、継続して募集をかけている。働く側にしてみれば、身近な街で探すことができ、未経験でも手軽に始められ、シフトの融通もきく...といった一定のメリットがありそうだが、なかなか人が集まらない。

   労働組合「首都圏青年ユニオン」の原田委員長は、その理由を次のように話す。

「コンビニはほとんど最低賃金に近い額で募集をかけています。これではあまり収入になりませんから、どうしても人が集まらない。また、コンビニの仕事は棚卸からレジ、宅急便と多岐に渡ります。低賃金のわりに覚える業務が多いのも人が寄り付かない原因でしょう」

   今回の「欠勤者は代わりを探せなければペナルティ」というルールが不適切であったことには違いないが、店側がそんなルールを設けてしまうほど、安定的に労働力を確保できない状況も問題視されるべき事実だろう。

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