低賃金のわりに覚える業務が多い
今回の問題は、単に一店舗の暴走と片付けていいものではなさそうだ。店側が設けていたという「独自のルール」からは、シフトの穴が容易に埋められないという人手不足の現状がうかがい知れる。
コンビニの数は今や日本全国に5万店以上。その多くが慢性的な人手不足に悩み、継続して募集をかけている。働く側にしてみれば、身近な街で探すことができ、未経験でも手軽に始められ、シフトの融通もきく...といった一定のメリットがありそうだが、なかなか人が集まらない。
労働組合「首都圏青年ユニオン」の原田委員長は、その理由を次のように話す。
「コンビニはほとんど最低賃金に近い額で募集をかけています。これではあまり収入になりませんから、どうしても人が集まらない。また、コンビニの仕事は棚卸からレジ、宅急便と多岐に渡ります。低賃金のわりに覚える業務が多いのも人が寄り付かない原因でしょう」
今回の「欠勤者は代わりを探せなければペナルティ」というルールが不適切であったことには違いないが、店側がそんなルールを設けてしまうほど、安定的に労働力を確保できない状況も問題視されるべき事実だろう。