がんの一歩手前のおそれも
横浜市在住の60代女性は、4年前、頬の内側に口内炎ができた。いつもの口内炎だと思っていたがどんどん炎症が広がり、数か月後には頬の裏全体、上あごまで赤くなってしまった。
大学病院を受診すると、「口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)」という病気が発覚した。
粘膜が赤く腫れ、一部が変質し白く網状の模様ができるのが特徴で、出血をともなうケースもある。原因はアレルギーや遺伝、自己免疫疾患、ストレスなどで、放っておくとまれにがん化することも。
女性は歯に詰めていた金属を取って改善したが、発症から回復までに3年以上もかかってしまった。
ほかに口内炎と間違える病気に「白板症」「紅板症」がある。
白板症は患部が白くなる、紅板症は赤くなるのが特徴で、いずれも喫煙、アルコール、詰め物や割れた入れ歯をずっと入れているなどの物理的刺激が原因となる。白板症は5~10%、紅板症は半数ががん化する。
十分な栄養や休息、薬を使うなどの対策を取っても2週間以上治らない、または長年同じところに繰り返し口内炎ができる場合は、何らかの病気が隠れている可能性がある。歯科、口腔外科、内科、耳鼻咽喉科、皮ふ科のいずれかに相談を。