知能テストの成績が向上、脳も大きくなる
研究チームは、65~75歳の男女122人(平均年齢69歳)を対象に、血液検査と脳画像の検査、さらに結晶性知能テストを行ない、血液中に含まれるルテインの濃度と結晶性知能の関係を調べた。結晶性知能のテストは、言葉の理解能力を調べた。たとえば、「ランプとは何か?」と問いかけ、「ランプ」という言葉を定義させる。そして、その定義に合う物を他に探させる。また、「牛と熊に共通するものは何か?」と問いかけ、同じ関係にあるものを、動物はもちろん動物以外のものから探させるといったテストだ。
その結果、血液中のルテインの濃度が高い人ほど結晶性知能テストの成績がよい傾向にあることがわかった。また、結晶性知能には脳の「海馬傍皮質(かいばぼうひしつ)」という部位が関連していることが知られているが、ルテインの濃度が高い人ほど海馬傍皮質の灰白質が分厚いことが確認された。
研究チームのアロン・バービー博士は論文の中で「ルテインが脳の認知機能に関連していることは以前から知られていましたが、今回初めて、結晶性知能の維持に有効であることを確認できました。ルテインの血中濃度が高い人は長年にわたり、ルテインを食事で摂取してきた蓄積だと思われます」とコメントしている。
いきなりルテインのサプリを飲んで効果はないようだ。特に中高年の人は、ホウレンソウなどの緑黄色野菜を毎日たっぷり食べる生活習慣をつけることが大切だ。