政府は天皇陛下の退位を2019年1月1日とする方向で調整を進めていると報じられている。皇太子さまに譲位されると同時に新元号に変わるわけだが、ネット上ではある心配事が取り沙汰されている。それは運転免許証の有効期間だ。
免許証は全て元号表記になっていて、手元にある免許証の中には、「平成31年まで有効」となっているものを始め、平成32年以降の有効期間になっているものもある。平成31年にあたる2019年1月1日に元号変更となれば、「平成31年」は来ない。どうなってしまうのか、J-CASTニュースは警察庁に取材した。
「来年更新する免許証は新元号になるのか?」
新元号になるという話題からネットでは運転免許証を持っている人たちが、
「免許証を書き換えたばかりだ」
「俺の免許平成32年までだわw」
「俺は来年4月に免許更新を控えている。新しい免許証は新元号になるのか?」
などと掲示板に書き込み、騒ぎ出した。書き換えや再発行が必要なのではないかと心配する人もいる。J-CASTニュースが警察庁に取材したところ、2017年1月24日に運転免許課から回答がFAXで返ってきた。しかし、まだ詳細は決まっていないようで、
「一般論として、元号が改められた場合は、業務に関わる文書の必要な変更、システムによる運転者管理業務の必要な変更を行うなど、適切に対応する事になると思います」
ということのようで、具体的なことは分からない。では、昭和から平成に変わった1989年はどうだったのか。
「平成」に変わった時には「昭和」が継続したものとみなした
昭和から平成は、1989(昭和64)年1月7日に昭和天皇がご逝去され、政令により翌1月8日から平成元年に切り替わった。変更は事前の予告などはなく、急に決められた。運転免許課がJ-CASTニュースに寄せた回答によると、このときは、業務に関わる文書の変更、運転者管理業務の変更などを行い、
「システムによる運転者管理業務の変更等が完了するまでの間、年の表示については『昭和』を用いることとしました。この年の表示は『昭和』が継続したものとみなして行うこととし、当該年の表示は、新元号による応当年の表示に読み替わるものとして取り扱いました」
ということだった。
今回も既に発行されている免許証は、このときの運用が適用されるのか。今回の元号切り替えは、昭和から平成に変わった時とは異なり、変更日時があらかじめ決められることになる方向だが、新元号はいつ発表されるのかは、まだ決まっていない。
このため、今回の元号の変更で免許証に記載された「平成」を次の書き換えまでに使用できるのかどうか、まだ分かっていない状況だ。