米国への貢献大きいメキシコ企業
星野氏によると、米国で活躍するメキシコ企業には、パン・菓子パンやスナック菓子などのメーカー、Bimboなどもあるが、「米国企業が手を引いたような、ニッチな産業での活躍が目立ちます。たとえばBimboは米国の同業企業をいくつも買収して成長してきましたから、米国への貢献という点では大きいと思います」と話す。
つまり、米国企業が商品やサービスを提供できなくなった分野を、メキシコ企業が補うような格好で成長してきたといえそうなのだ。
ほかにも、世界一の富豪といわれるメキシコの実業家、カルロス・スリム・エルーは、「メキシコや米国の通信産業に多大な影響力をもっています。移民問題から『壁』の建設が取り沙汰されていますが、メキシコから米国への合法的な移民は1100万人で、さまざまな活動で米国経済に貢献しています」と説明。
星野氏は、「貿易交渉でも、物理的にも、『壁』をつくったからといって米国の利益にはなりづらいように思います」という。