「メキシコの壁」で高騰する意外な株 米ダウ、史上最高更新

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「壁」建設でメキシコ企業株が...

   さらに桂畑氏は、当面はこの流れが続くとみている。「現在の予算は4月28日までの暫定予算で、今後9月末までの予算を策定していきます。メキシコとの『国境の壁』の予算もこの中に入ってくるのでしょうが、たとえばインフラ投資の規模が大きくなれば、5、6月にはトランプ相場の『第3弾』がありそうです」と話す。

   好調な米国株式市場にあって、値を上げていのは金融や建設、機械、IT(情報技術)・通信、資本財・サービスなど。その中で、注目されているのがセメントメジャーの一つ、「セメックス」だ。米国とメキシコの「国境の壁」の建設が現実味を帯びてきたことで、その材料となるセメントの需要が高まることの予測から、セメックス株は2017年1月25日の取引で一時2.6%も急上昇。52週(年初来)高値の9ドル51セントを付けた。終値は9ドル49セントで、年初から20.1%も上昇した。

   1月27日付のブルームバーグによると、「メキシコ国境沿い壁の建設には150億ドル(1兆7000億円)以上のコストかかる見通し」とし、「国境の壁」の建設計画は、「建設業者や建設資材メーカーの見通しを明るくしているが、最大の勝者は米州最大のセメントメーカーであるメキシコのセメックスかもしれない」と指摘した。

   米国株の上昇を後押ししている、その一翼を担うセメックスは皮肉にもメキシコの企業だったのだ。

   メキシコ経済に詳しい、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所・ラテンアメリカ研究グループの星野妙子上席主任研究員は、「セメックスは1990年代に米国に進出(99年に上場)。その一方で、米国では成熟産業が衰退に向かっていましたから、現地のセメント企業を買収して成長していきました」と話し、すでに米国に根ざしていると話す。

   ちなみに米国のセメント業は、国内企業が消滅。セメックスとラファージュホルシム(2015年、スイスのホルシムと仏ラファージュが経営統合、米国では未上場)の2社の独占市場という。

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