中国人ファンが猛批判した「ある事件」
こうした反応を理解するには、4年前に起こった、ある「事件」にさかのぼらなければならない。
天安門広場を遠景とし、立てた中指にフォーカスさせた写真。中国の現代美術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏の有名な作品で、中国では反体制的な表現とも受け止められている。水原さんは2013年、この写真にインスタグラムで「いいね!」をつけたことがきっかけとなり、中国人のファンから猛批判を受けることになった。
その後、16年7月になって、水原さん本人が、中国の動画サイト「秒拍」(ミャオパイ)で、この件に関する「謝罪動画」を公開した。
13年のインスタグラムでの行為について「極めて不適切だった」と謝罪したうえで、
「(私は)米国人の父と韓国人の母の子どもとして米国で生まれた。異なる文化を尊重することの大切さを学んだ」
と釈明した。日本人ではない、とは語っていないが、水原さんは5分間の動画で最後まで流暢な英語を話した。すると、動画のコメント欄には一転して「がんばれ」といった声が中国語で寄せられるようになった。
一方、日本人には、「日本人的ではない」自身の生い立ちをアピールして中国側の批判をかわそうとしたのでは、と見る人もいた。
ツイッターの内容を見ると、この時の記憶が残っている人たちが、「日本人的な部分がある」と強調した水原さんに「変わり身の早さ」を感じ、「どっちなんだ」という反応になったようだ。