赤い封筒もある
このときは、あるブロガーが孫社長に向け、「架空請求」の可能性があるから警察に通報しようと思っている、と自身のブログで訴えたことがきっかけだった。孫社長はツイッターで、6ヶ月以上の支払遅延者への督促は法律上、弁護士事務所から送られると説明し、封筒を送ったのはソフトバンクが契約している正規の法律事務所であり、個人情報漏れなども無いため安心して弁護士に問い合せして欲しいと訴え、「架空請求」を心配している人たちを納得させた。そして、
「大切なお客様に不要なご心配をおかけした事や不快な想いをさせてしまった事など本当に申し訳なく思います。社長である私の責任です。お詫びします」
と謝罪している。また、16年8月にも「架空請求」騒ぎがツイッター上であり、
「念の為電話番号や弁護士の名前等調べたところ詐欺でした」
などと報告され騒然となった。しかし、ネット上に現物の封筒の写真をアップされていたことで、ほどなくそれがソフトバンクから来た本物の封筒であることが分かったということで収まった。
便乗した架空請求が全くないとは言い切れないものの、利用者からすると、細かい契約の内容を把握していないところに、弁護士名での「催告書」が来ることで驚き、「架空請求」と思い込むケースが多いようだ。
J-CASTニュースが17年1月23日にソフトバンクに問い合わせたところ、同社広報は、
「詳細が分からないため、今回お問い合わせいただいた件と同一かは分かりかねますが、ソフトバンク株式会社として、支払遅延者に対して赤い封筒や黄色い封筒で料金のお支払をお願いする書面をお送りしています」
と回答した。
「催告書」が来たら、「架空請求」と早合点する前に、まず事実関係を確かめる必要がある。