ゲーム事業は「利益が上がりにくい」
SBI証券の藤本誠之氏は、「すでにゲーム事業は、当たらなくなっています」という。LINEが提供している「LINE ポコポコ」や「LINE ディズニーツムツム」などのスマホゲームはリリースから2年以上が経過。「新たなタイトルを積極的に投入していますが、目立ったヒットはありません」と指摘する。
加えて、スマホゲーム市場は、DeNAやミクシィほか、任天堂が参入するなど競争が激化している。藤本氏は、「LINEは、(ゲームを含むコンテンツ事業への)投資を進める方針を打ち出していますが、競争が激化しているうえにゲーム開発費は上昇。しかも必ずヒットするとはいえないことを考えると、利益は上げにくくなるばかりです。(ゲーム事業の先行きは)あまり明るくない」と説明。その一方で、LINEの出沢剛社長が決算会見で、そんな成長が鈍化しそうなゲーム事業にこだわる姿勢を見せたのだから、株価急落もうなずける事態のようなのだ。
さらに、藤本氏は2017年1月26日のLINE株の「売り」の多くが「アナリストの評価を重視していた機関投資家ではないか」とみている。「3530円は『底』をついたとみられ、逆に、個人投資家は買い進んでいるようすがうかがえます」という。
「LINEが国内最大の、子どもから高齢者まで利用するコミュニケーションツールであることに変わりありませんし、そのポテンシャルは高いです。考え方を変えて、伸びている広告事業や新たな、別のビジネスを考えたほうが高い評価を得やすいと思います」と話している。