米国のトランプ大統領は2017年1月25日(米東部時間)、メキシコとの国境沿いに1989マイル(3200キロ)の壁を建設し、移民流入の規制を強化する複数の大統領令に署名した。不法移民対策の強化は、トランプ氏が大統領選で掲げた最重要公約の一つだ。
トランプ氏は同日、国境を管理する国土安全保障省の式典に出席。署名後の演説で、職員を前に「アメリカは国境を取り戻す。多くの命と雇用を守る」と述べた。
署名には(1)メキシコとの国境沿いに壁を築く(2)国境警備を担う職員を5000人増やす(3)出入国管理の職員を増やして不法移民の取り締まりや強制送還を推進する(4)不法移民対策に非協力的な自治体への補助金交付を停止する、といった措置が盛り込まれた。
トランプ氏は、式典に先立つABCニュースのインタビューで、壁の建設費用に関し、一時的に米政府が負担するもののいずれメキシコに「100%」支払わせると強調している。
これに加えてトランプ氏は、近日中に移民制限に関する複数の大統領令に署名する見通し。